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ふくろう博士TOP > 研修会 > 2009年 > 歌舞伎の楽しみ方 特別講師:歌舞伎俳優 坂東 彌十郎 先生

研修会 研修会


講演内容
 
プロフィール
屋号・大和屋。伝統歌舞伎保存会会員。往年の銀幕スターだった初代坂東好太郎の三男。
昭和48年5月歌舞伎座「奴道成寺」の観念坊で坂東弥十郎を名乗り初舞台。
昭和53年名題昇進。貴重な脇役の道を邁進している。最近は十八代目中村勘三郎との共演が多く、平成16年夏の平成中村座ニューヨーク公演「夏祭浪花鑑」にも釣船三婦で参加した。猿之助一座にいた頃、猿之助演出のオペラ「コックドール」で演出助手を務め、玉三郎の「夕鶴」では演出もした。
昭和59年歌舞伎座優秀賞。平成10年歌舞伎座賞。同年眞山青果賞奨励賞。

  国立劇場では、国のやっている学生のための企画があるが、教育の一環として愛だの恋だのはいけないなどと堅苦しい話になり、どうもその辺も歌舞伎離れを促進している一因であるようだ。歌舞伎というのは、元来が下世話な庶民のためのものなのである。
  歌舞伎の発祥は1603年、出雲阿国に始まる。「かぶく=傾く」からきており、フツーじゃない、傾き者が行ったパフォーマンスを「歌舞伎」といった。元々が前衛だったのである。
  お能と狂言は支配階級に庇護され発展するが、歌舞伎は庶民の中で広まった。
  江戸幕府開闢(びゃく)、戦国時代が終わり平和な世の中になると、京都加茂川の河原で「念仏踊り」という妖艶な踊りが起こったが、風紀を乱すという理由で幕府に禁じられる。
  そこで「若衆歌舞伎」が起こり、前髪がついている十代のきれいな可愛い男の子が演るようになった。これも風紀上禁止されると、大人の元服した男性で演る「野郎歌舞伎」が出てきて、さらに女方が派生した。これが今の歌舞伎のルーツである。

 歌舞伎には、<歌・踊り・演技>の三要素がある。
  歌では、効果音は和楽器の大鼓・三味線などを使い、雨の音・水音・波音・雪音など、森羅万象を一つの楽器で表す。歌舞伎は生のもので、下手では御簾がかかっていて、楽器を演奏する。上手では、ナレーションをする。
  舞は踊りに通ずるが、仕草や立ち居振る舞いである。侍・若い女性・年増・老婆、それぞれに足の運びや姿勢が違う。女性なら、歩幅を縮め、体を斜めにするだけでしとやかに見える。
  演技に関しては、役者が効果的に演じるための様々な型や工夫がある。
  「せり」というのは、歌舞伎独特のせりあがる舞台装置で、「廻り舞台」も250年位前に、歌舞伎が初めてやったものだ。

  昔は照明技術・音響技術がないので衣装を派手にし、大きな鬘(かつら)をつける。そうなると顔が負けてしまうので、「隈取り」をする。血管を浮かし、力強さを表すわけだ。
  「立ち回り」とは、独特のテンポでゆっくりとした動き。
  「見え」を切る、「見え」をするとは、単なるストップモーションではない。京劇のように完全に静止するのでなく、外側は止まるが、中は燃えたぎっている。映画のクローズアップの手法に近く、お客さんの眼を集中さすという意味がある。
  ヨーロッパの劇場は縦長だが、歌舞伎の舞台は横に長い。そこで平面的な中に、立体感を出す技術が発達した。

 歌舞伎は伝統芸能なので、人を育て、後世に伝えていくということも重要だ。
  息子は4歳から舞台に立っているが、弟子に教えるのと自分の子供に教えるのとでは、教え方にもやはり違いが出てくる。
  息子の場合は怒られ慣れているが、最近の若い弟子には、ちょっと怒られるとやめてしまう人もいる。弟子に対しては、本当ならわかってなくてはと思うようなことも、わかりやすく教えないといけない。
  息子に厳しくできるのは、嫌ならやめたっていい、好きだったらとことんやれと思っているからである。舞台に立つというのは、お客様にみていただくということ。たとえ未熟でも、年端のいかない子供であっても、ひとたび劇が回ったら手助けはできない。
  立派に舞台を務め上げられるようになるためには、長い年月をかけての不断の稽古と同時に、実地での舞台訓練もまた、車の両輪のごとくに不可欠なのである。

 歌舞伎は、伝統や古典を残しながらも、新しいものをどんどん取り入れている。
 僕らとしては、歌舞伎役者がやれば歌舞伎だろうというぐらい、「何でもあり」の世界。お客様に喜んでいただければ、という意識で演っている。
 近来世界遺産にも指定されることになったが、それがいいことなのかどうか、複雑な心境でもある。歌舞伎は庶民の芸術なので、お能や狂言が世界遺産になるのはいいが、歌舞伎も世界遺産になり、それで変えてはいけないといわれるのでは困る。
 昨今も、野田秀樹氏による「野田版研辰の討」や、ベルディのオペラに題材を採った「愛陀姫」が上演され、「ジェラシー」などという言葉まで劇中語られなどもした。
 来年は、クドカンこと工藤勘三郎氏が書く。いろいろな冒険や挑戦をすることにより、若い方にもいっそう観やすくなるし、それをきっかけに、日本独自の文化にも触れていただくようになればよい。
 日本の文化をやはり伝えていき、残していきたい。一番必要のないものかもしれないが、精神的支柱として、心の中に、自分の中に残りゆくものだと思う。
 初めてご覧になると、とっつきにくいお芝居もある。観やすいものから入ると、歌舞伎は本当に楽しい。ぜひ劇場に足を運んで、生の楽しさを味わっていただきたい。生で、こうして役者が笑ったり泣いたりするだけでも、見応えあり、臨場感があるものだから。



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