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世界の貧困と私たちにできること 特別講師:公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン プログラム部 部長 馬野 裕朗 先生
 
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン プログラム部 部長 馬野 裕朗 先生
プロフィール

1991年上智大学文学部フランス文学科卒業。在学中、トゥール商業大学院大学(フランス)へ交換留学、法律・経済を学ぶ。

卒業後、民間企業を経て外国語学校の運営を行うとともに、学生時代より続けていた俳優活動を行う。主演した「Truths : A Stream」(2000年)、「H Story」(日仏合作映画、2001年)はそれぞれベルリン、カンヌ国際映画祭に正式出品。「H Story」では「ベティ・ブルー」などで有名なベアトリス・ダルの相手役をつとめる。

途上国の教育問題の記事を目にしたことから、一転して貧困問題に教育の立場で取り組むことを決意する。2001年に英国、ロンドンスクールオブエコノミクス大学院留学。開発途上国の社会政策・教育政策修士号取得。その後2002年より 開発コンサルタントとして西アフリカを中心にJICAの教育プロジェクトに携わる。その間3年間(2007年〜2010年)、教育環境改善プロジェクトのプロジェクトマネジャーとしてセネガルに長期駐在、コミュニティを巻き込んだ自立的な学校運営支援に取り組む。

2012年1月より現職。プランの活動国50カ国のプロジェクトの案件形成・運営管理を行う。


 現在、途上国(アフリカ、アジア、中南米合わせて50か国)での、子供たちを中心とした地域の開発支援を主な仕事としている。プラン・インターナショナルでは、Because I am a girl キャンペーン「世界の女の子に、生きていくチカラを。」を通じ、女の子を支援し差別をなくすことが、家族また地域全体への貢献になると訴えている。
 プラン・インターナショナルとは、1937年イギリスで設立され、80年の歴史を持つ国際NGOであり、途上国51か国を支援。地域、子供たちとともに進める持続的な地域開発を目指している。子供たちへの支援の中でも、教育はとりわけ重要だ。プラス安全と衛生、この3点に特に力を入れている。
 
 私は24歳から30前まで、本学院(ふくろう博士)でお世話になっていた。過去の仕事や経験が、今やっていることに直接的、間接的に関わっていると日々実感する。
 バブル終焉期、就職はしたが、フランス語の先生になりたいという夢を思い出し、会社を辞め学院に在籍する傍ら、フランス語学校を設立。苦労も喜びもある、充実した時を過ごしていた。
 そんな折、たまたま西アフリカの貧困と地域開発に、教育が不可欠という小さな記事を目にする。元々やりたかったフランス語と教育。自分にも何かできるかもしれないと、矢も楯もたまらず、すべての職を擲(なげう)ち、生まれたばかりの娘も連れて、イギリスの大学院へ留学決意。研究テーマは「途上国における社会開発(衛生・保健)」
 帰国した2000年は、政府開発援助の教育支援(=ODA)が増え続けていた。
 途上国では、全国家予算の3分の1が教育に充てられ、内9割は教師の給与である。それを有効に使うための人材育成の必要から、JAICAの教育プロジェクトが増えてきた。そこで、開発コンサルタントの会社に籍を置き、西アフリカを担当。セネガルに3年間長期滞在した。
 日本のODA(貧困対策支援)は自律発展性のあるいい仕事をするが、あくまでプロジェクトベースで、ODAでやっていると、3年5年単位のプロジェクトでしか見られない。対して、NGOはより長期的に、その地域全体の安全を考えている。
 7年前、たまたま公募があり、ODAからNGOに移ることになる。両者は、支援のアプローチが違う。ODAは税金で成り立っているが、NGOは年間35億の寄付。それも8割は個人の寄付であり、他は企業や外務省に拠っている。そうして、地域の教育、安全、福祉やインフラなどの活動を行っている。

 ここで、世界に目を向けてみると、
・世界の国の数195のうち、途上国として定義されるのは、120 ・・・ 75%
・世界の人口70億のうち、途上国の人口、49億        ・・・ 7割
 世界の国をアトランダムに集めたら、7割は途上国の人となる。

 アフリカの最西端の小さい国、セネガルに2007〜2010年までいた。
 女性の仕事である家事は、掃除、洗濯、料理、すべて手作業で重労働である。料理は火を起こすところから始まり、大量に薪を使うので、どんどん砂漠化が進む。食事は地べたで、皆で大皿を囲み、素手で食べる。カラフルな洗濯物。お金は乏しいが、特に女性はおしゃれで、毎日が気合服である。子沢山で、病院で薬をもらえば治るようなただの下痢やけがで、子供や若者が亡くなる場合も多い。人口の75%がイスラム教。毎週金曜は日に5回お祈りをする。フランスの制度に倣い、小学校卒業資格試験や落第がある。
 野中にある仮説の教室やトイレは粗末だが、あるだけいい。親たちが、子供たちに教育させたいという願いで、なけなしのお金で材料を探して作る。それがあって初めて先生を要請できるのだから。いずれ正式な学校とちゃんとしたトイレも、沢山整備されていくようになればと願っている。

 先進国が途上国に何10億、何100億の金を入れているが、貧困はなくならない。原因は次の3点だ。

・自然災害
・紛争の多極化=人災!
・様々な差別 > 格差 (少数民族、宗教的マイノリティ、女性、障碍者、エイズなどの病気、ロヒンギャ(ミャンマー)、シリア、南スーダン

 内乱によって生活基盤を失った人々が、元いた場所に帰れず、難民となる。それまではささやかに生活できていたのが、大地震、旱魃(かんばつ)、紛争などで立ちいかなくなる。
 取り残された人々、支援から零れ落ちてしまっているグループ。ここにこそ貧困があり、サポートすべき対象がある。
 2015年までのミレ二アム開発目標、さらに2016〜2030年までのSDG「サステイナブルディベロップメント ゴール(持続可能な開発目標)=【貧困を撲滅する】」のためには、プランのようなNGO、国連、企業だけでは到底無理で、すべての国民が何らかの意識を持たない限り実現は不可能だ。

 さらに、女性、女の子も、「取り残された人々」の中に入る。
・日常生活の中での差別の局面(当たり前)
・人生・生活の様々な機会、大事なタイミングでの意思決定の欠如(当たり前)
 => 他者が決定( 例:教育・結婚、遺産、相続)
 文化的な、女性の困難・貧困=>地域全体の「貧困の連鎖」
 女性の差別をなくすことが、地域全体への支援になる。
 
・サハラ以南のアフリカで、小学校を中途退学する女の子の割合・・・2人に1人
・開発途上国の女の子で、15歳までに結婚する割合は     ・・・7人に1人
・出産時に亡くなる10代の女の子は             ・・・毎年5万人
 10代の女の子が亡くなる最も多い原因は、身体が十分でない内の出産である。背景には早すぎる結婚がある。女の子の自立やエンパワーメント(意思決定および能力開花)がいかに大事であるか。
 女の子も男の子と同様に、
・地域社会において同様の尊厳を受ける。
・人生を左右する決断で同様の決定権を持つ。
・それを可能にするため必要な力を、同様に有する。
 そのことが国家の有効なアプローチである。女性が貧困に陥る文化がある地域は、開発される地域全体が下降ラインを辿る。男性のみならず、男性も巻き込みながら、女性が物事を決められる、議論や分担ができる文化にあっては、家庭や地域全体にプラスのサイクルが生まれる。

 最後に、人権とは何だろうということに触れておきたい。
 「権」という字は、逆らえない高圧的な字面で何となく嫌だったが、さる憲法学者の本で、「輸入された言葉を漢字にしたもの」だというのを知り、腑に落ちた。

 Human Rights =人間の正しいこと、人間らしいこと。

 すなわち、「人間として正しいこと、人間らしく尊厳をもって生きられること」
一人たりとも落とされない。もし、できない人がいたら、国が、地域が、周りの人が、サポートしてあげないといけない。「一人一人の人間を大事にし、尊重する」ということが人間らしく生きることの最低限の条件で、これが守られていないと人間らしい生活とは言えない。「〜できること、〜すること、〜であること」
 衣食住は基本だが、それだけではいけない。時代によっても変わるが、3つの大きなカテゴリーは変わらない。
・生存 = 衣食住
・公正 = 差別されない(性別・人種・年齢など)
・自己決定 = これなくしては人間の真の自由とは言えない。

まとめ
・「取り残された人々」へリーチすることが喫緊の課題
・すべての人が尊厳ある生き方ができることが、世界の目標=「貧困を撲滅する」
・その要素は「生存・公平・自己決定」
・一朝一夕にできること(インフラ整備など)とできないこと(人の考え方・慣習・態度・行動など)がある。
文化や長い歴史の中で、役割分担が決定づけられている。
・しかし、不変ではない=>地域のリズムを尊重して、息の長い取り組みが必要

 たとえて言えば、広い監獄のようなお城に住めたらハッピーか。
〔 自分が行きたいところに行ける。誰々と結婚できる。好きな所に住める。〕
 世界中の老若男女すべての人が、我々が当たり前だと思っていることを当たり前にできるようにすることが、貧困をなくすこと。誰かがやってくれるということなら、2030年の目標達成は無理だ。皆が何らかのコミットをすることが大事なのである。




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